外出時、ふと鏡にうつる自分の姿を見て愕然とした。
まるで老婆ではないか。
いつからだろう、写真を撮るとき人の影に隠れるようになった。
化粧をしようと鏡を見る。
そこに映る自分の姿を見るのが嫌だった。

冬になると大気が乾燥してお肌も乾燥する。
クリームをケチって使うせいかたるみやシワ、シミに悩む年頃。
年齢より若く見える人は自分の容姿にどれだけお金をかけているのだろう。
美容院さえもう10年行けていないのに高い化粧品なんて買えるわけがない。

昔はオシャレが好きだった。
新しいコスメを試すとき心が躍った。
洋服を選びに行くのも大好きだった。
大人になってお気に入りのショップで思いっきり洋服を買いたいなんて思っていたのに。
現実はもっと厳しい。
いつの間にか何も関心がなくなって、醜く年を重ねてしまった。

美容だの健康だの言っていられる人は余裕のある人だけだ。
ただ、栄養の偏りだけはなんとかしなくてはいけない。
病気になったらもっとお金がかかるのだから。



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